あろまちゃんぼうのよもやま話

うつ病、ハーブ、精油、その日の出来事について

自然にかこまれた精神病院での生活

私が精神科クリニックを訪れたときはもうめちゃめちゃだった。

待合室で、足を引きずり、頭をあちこちにぶつけては助けて、助けて、とつぶやいていた。先生も慌てて鎮静剤の注射をうつぐらいだった。

自分が何をしでかすのか怖かった。
クリニックに行く途中の横断歩道を赤信号でわたる感じだった。
手首も切るので1人でいたくない。
眠剤をのんでも眠れず泣いていた。
そんなとき、ふと病院にいこうという考えが浮かんだ。

病院にいけば、頭を打たないですむ、手首を切らないですむ。

そこで、クリニックの先生に病院に入りたいといった。

先生は、自分でなにをいってるのかわかってるのか?と体裁を気にしてくれたが、もう、自分で自分をコントロールできないことに疲れはてた、といい、先生もわかってくれた。
こうして、私は任意で精神科の病院に入院したのだった。

時期は6月半ばだった。
入院する前に診察を受け、医師から、

「私が担当でよろしいですか。」
と聞かれ、

「他に選択肢がないのだからいいですよ。」

とちぐはぐな会話をしたが、精神病院は相性が大事なのだということにあとで気づいた。結果的にはその先生で正解だった。

私は持ち物に執着した。さびしかったから。

1mもあるくまのぬいぐるみやベリーの鉢を持っていってもいいかと困らせた。でも、了承してくれた。

精神病院は海岸に面し、山が後ろにある緑豊かなところだった。

アルコール症患者を主に診る病院だった。

患者が作業療法の一環でつくられた野菜や果物がたくさん植えられている一方、バラ園もあった。

入院して3日間はずっと熊のぬいぐるみに抱きついて泣いて眠れぬ夜を明かした。

4日目、同室の拒食症と精神病を患っていた若い女性が抱き締めてくれて、

「泣いていいんだよー、」

といってくれた。

そこで、ひとりぼっちではないことに気づき、その夜から睡眠剤で眠れるようになった。

先生の診察は一日一回二時間だけだったので薬を時間にきちっとのんでいれば、あとの時間はもてあましていた。

そこで、隣の病室にいって、キッチンドリンカーのおばさんと仲良くなって、たくさんの女性雑誌を借りて読み漁った。

それでも暇なので、朝は自分が持ってきたベリーの鉢に水やりをして、日中は外出許可をもらって、近くのマーケット、といっても片道1時間はかかるところまでいって、花の鉢を眺めてはまた1時間かけて病院に戻るということを毎日やった。海岸沿いの一本道だったので、気持ちよかった。

そして、帰ったら私より長くいる行き場を失った老人女性のおりがみなどを手伝った。

面会室にこもってCDを聞きながら歌った。

夜は寝る一時間前はテレビを観るのを許されていたので当時はやりのトレンディドラマをいくつも観た。

あとは同室の患者さんたちと仲良くなっていった。

私は入院したら、いままでつきあっていた友人たちに嫌われると思っていた。しかし、事態は反対だった。毎日のようにお見舞いのてがみをもらい、涙した。1か月ごろには大学時代の友達がお見舞いに来てくれて、近くの大きな公園で花畑やハーブの畑を巡り、ハーブで石鹸ボールをつくった。

自然にかこまれ、優しい先生、患者さんたち、友達に徐々に癒されていく1か月だった。

精神病院は私が思っていたのとは大違いでゆったりと時が過ぎていく優しい環境だった。気づいたら足のびっこは治り、薬は必要だったが眠れるようになっていた。カッターやハサミの持ち込みは禁止だったので自然と手首を切らなかった。

その間にも患者さんたちといろんな交流がありミラクルがあった。

それは次回話したいと思う。